インプラント(implant)とは、“植え込む”という意味の英語です。
すでに治療を受けている、もしくは知り合いがインプラント治療を行ったなどの声も聞くと思います。
インプラント治療は知名度も高く一般的になりました。
インプラント治療は、以下のような症状の方にお薦めです。
- 自分の歯に近い感触で噛みたい方。
- 入れ歯を入れたくない方。
- 入れ歯のバネが見えないようにしたい方。
- 周囲の歯を削りたくない方。
- 周囲の歯への咬む負担を減らしたい方。
・インプラント埋入手術後、インプラントの頭の部分を粘膜の内側に入れて、骨が密着するのを一定期間待つ。 |
・インプラントの頭の部分を粘膜の外に露出させる手術を行う。 |
・被せ物を取り付ける。 |
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・インプラント埋入手術後、 インプラントの頭の部分を 粘膜の内側に入れて、 骨が密着するのを 一定期間待つ。 |
・インプラントの頭の部分を 粘膜の外に露出させる 手術を行う。 |
・被せ物を取り付ける。 |
インプラント治療とはむし歯や歯周病などで歯を失った部分に、人工の歯根(チタン製)を植えて、噛み合わせを回復させる方法です。チタンは生体組織に良く適合する金属ですので、顎の骨としっかり結合します。
歯のない部分を補う方法として、他にも『義歯(入れ歯)』『ブリッジ』などがあります。これらの方法は昔から行われ、治療法として確立されてはいるものの、残った歯に頼る治療方法となるため、どうしても残った歯に負担が加わるという大きな欠点がありました。また、「義歯には固い物がかみにくい、発音がしにくい、時間とともに合わなくなってガタガタしてくる」、といった欠点もあります。
「元のように歯があったら...」といった悩みを解決できる治療方法が『インプラント治療』です。
当院で用いているインプラントは(株)デンツプライIH ASTRA TECH DENTAL社製になります。
名前 | 義歯(入れ歯) | ブリッジ | インプラント |
長所 | 簡便・修理しやすい・歯が少なくても用いることができる・いろいろなタイプがある | 固定性・入れ歯に比べ咬みやすく発音しやすい・違和感が少ない | 咬みやすい・両隣の歯を削らない・両隣の歯に負担がかかりにくい・発音は天然歯時とほぼ同じ |
短所 | 厚みがあり、違和感がある・発音しづらい・はずれることがある・咬む力は天然歯の3割程度・義歯を支える歯に負担がかかる | 前後の歯を削る必要がある・清掃性が悪い・両隣の歯への負担が大きい | 外科処置を伴う。最終的な歯が入るには時間がかかる。 |
保険治療 | プラスチックでできた歯と粘膜を金具で歯に引っ掛けます
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歯を削る量により、小さいタイプと大きいタイプがある。(自費治療との違いは金属になります)
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保険外治療 の種類 |
・違和感の少ないタイプ ・金具の目立たない義歯 ・複合タイプ |
・セラミックで覆われ、審美性に優れたタイプ ・プレシャス・セミプレシャスメタルを用いたむし歯になりにくいタイプ |
インプラントは自費治療になります。上部構造(かぶせ物)の種類、顎の骨の状況、手術の難易度(骨移植の有無)、鎮静法使用の有無により治療費が異なります。 標準治療費:40万程度 (上部構造:メタルボンド) |
カウセリング・診査
失った歯の周囲の状態やインプラント治療の説明、治療の流れなどの説明(話合い)をいたします。また、治療前に、健康状態や口腔内の状態が整っているかも確認します。
CTの撮影も行います。
診断
検査結果をもとに、方針と詳細な治療計画を説明します。(インフォームドコンセント)
なお、周囲の歯にむし歯や歯周病がある場合はそちらの治療を優先することもあります。
埋入手術
埋入手術を行います。手術では、局部麻酔を使用し、歯を失った部分の歯肉を切開し、顎の骨にチタン製のインプラント体(フィクスチャー)を埋入(図 (1))して歯肉を閉じます。この手術でかかる時間は、個人差や本数にもよりますが、30分から1時間です。局部麻酔をしますので治療中の痛みはほとんどありません。処置後、約2〜3時間で感覚はもどります。
手術の翌日から通常の生活を送ることができますが、しばらく痛みや腫れが出ることがあります。
手術直前と、術後に数日間抗生剤(化膿を防ぐため)と鎮痛剤を服用して頂きます。
図(1) チタン製のインプラント体 (フィクスチャー)を埋入
治癒期間
インプラント体の埋め込み手術後は、インプラント体が顎の骨と結合するのを待ちます。
これをオッセオインテグレーションといいます。通常、治癒期間は上顎の歯で4ヶ月、下顎の歯で3ヶ月間程になります。
上部構造の作製
埋め込んだインプラント体が顎の骨と結合した後、インプラント体を埋め込んだ入口部分の粘膜を切開し、貫通部分を作製します(図2)。切開部の傷が治癒した後(1週間程度)、柱(アバットメント)を立てて上部構造(人工の歯)を作製します。咬みあわせのチェックを行い、完成です(図3,4)。
図2 |
図3 |
図4 |
定期検診
インプラントおよびお口全体の健康状態を維持するため、定期的な検診とクリーニングを行います。
失った部分にインプラントを埋入 失った部分にインプラントを埋入します。 |
義歯ではなくインプラントを用いて治療 従来では粘膜の上に総義歯を入れていましたが、インプラントを用いるとその部分を支えにできるため、より安定した義歯を作製することが可能です。 |
メリット
- 天然歯のように顎の骨に固定するので、違和感が少なく噛むことができます。
- 噛む力は“天然歯の約80%回復する”と言われています。
- ブリッジや義歯のように、隣の歯を削る必要がありません。
- 天然歯に近い見た目を実現できます。
デメリット
- インプラントを顎の骨に埋め込む手術が必要です。
- 全身疾患がある場合、治療できないケースがあります。
- インプラントは保険適用外ですので、自費での診療となります。
- お口の状態・骨の状態により、インプラント治療ができない場合もあります。
- 他の方法(義歯や入れ歯)よりも完成までの期間が少し長くなります。
- 外科手術時の感染のリスク、一時的なマヒのリスクがあります。
インプラントは、保険が適応されない自費での治療です。
上部構造の種類により、治療費は異なります。
治療内容 | 費用 |
かぶせ物が白い歯 | 440,000円〜 |
かぶせ物が金属の歯 | 363,000円〜 |
手術の時は麻酔をしますので痛みはありません。時間はインプラントの本数や、諸条件によりますが、インプラント2〜3本で通常入室から1時間半程度です。